荒井 牧子
Makiko Arai
アニメーター・イラストレーター
●出身は島根県。
●岡山県立大学ビジュアルデザイン学科卒業。
●2003年4月入社。
私のとても好きな絵本に、「ハリネズミくんと森のともだち」という、ロシアのお話があります。
コズロフという、ロシアの児童文学の作家さんの書いたお話です。
タイトルの通り、ロシアの森に住む
小さいハリネズミくんと、
仲良しの森の動物たち(こぐま、ロバ、ウサギ、ちょっと怖いオオカミ、なんとゾウまで!)とのできごとを描いた、短編集です。
その中の一つのお話は、同じくロシアのアニメーション作家、ユーリ・ノルシュテインさんの「霧の中のハリネズミ」という、
美しいアニメーションの原作となったものです。
その他のお話も、北の森の四季を描いた詩的なものや、夢の中のできごとのようなもの、ユーモラスだったり、少し悲しくて哲学的だったり、どれもすてきなお話ばかりです。
読んでいると、一緒に森のなかを散歩したり、きのこを探したり、
したくなります。
子供のころのいろいろな感覚を、思い出す事ができるのです。
このハリネズミ君のお話を読んで、これをアニメーションにしよう!と思ったノルシュテインさんを、ますます好きになりました。
本の中の挿絵も、味わい深く、かわいいです。
「ハリネズミくんと森のともだち」
S.G.コズロフ(著)、S.A.オストロフ(イラスト)、 田中 潔(訳)
/岩波書店